東海地震の予知

東海地震は、日本の行政機関によって唯一直前予知の可能性がある地震とされています。

ただし、予知の可能性があるといっても日時を特定した予知は不可能であり、さらに、勘違いされることも多いのですが、あくまで予知の可能性があるというだけで予知自体もできない可能性があるという見解が一般的である点に注意が必要です。

東海地震とは

東海地震の震源域

気象庁(http://www.jma.go.jp)より

予知が可能とされている東海地震とは、駿河トラフと呼ばれるプレート境界で起きる海溝型地震であり、駿河湾から静岡県の内陸部を震源域とするマグニチュード8級の巨大地震とされています。

必ずしも南海地震や東南海地震などの他の巨大地震に連動して起こるものではなく、単独で起こるという可能性があるということが前提にあります。

なぜ東海地震の予知は可能なのか

気象庁によれば、次の3つの理由により東海地震の予知は可能だとされています。

  • 東海地震の想定震源域では精度の高い観測体制が整備されている
  • 東海地震にはプレスリップと呼ばれる前兆現象がある
  • そのプレスリップの機構・モデルが既に明確化されている

観測体制が整備されている、という理由については分かると思います。では、プレスリップとは何なのでしょうか?

プレスリップとは

プレスリップとは、地震の前に震源域(プレート境界)の一部が破壊され(剥がれ)、ゆっくりとすべり動き始めるとされる現象のことです。前兆すべりとも呼ばれています。

プレスリップは次の過程で発生します。

プレスリップの図

気象庁(http://www.jma.go.jp)より

  1. フィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込むことにより、陸側のプレートが引きずられ、その地下では歪みが蓄積する
  2. 地震の前にプレート境界の一部が破壊され、ゆっくりとすべり動き始める
  3. ゆっくりとした動きが急激な動きとなることで地震(東海地震)が発生する

一般的に、地震の前にはプレスリップに限らず岩石破壊が発生するとされていますが、その規模は小さいものです。しかしプレスリップの場合は、ある程度の大きさの岩石破壊が行われるため、M6級の地震や地殻変動を伴うとされており、東海地震の場合、プレスリップが発生しない限り、本震は発生しないと言われています。

東海地震は予知できない説

行政機関によって東海地震は予知の可能性があるとされていますが、以下のように、予知は不可能であると主張する説もあります。

①プレスリップが発生しても観測できない説

プレスリップは、M6級の地震あるいは地震を伴わない変位(すべり)が発生するものとされていますが、予想されているよりも規模が小さかったり、陸域から離れた場所で起こり十分観測できない場合などもあると考えられます。

この説は気象庁自身も言っていることであり、東海地震は必ず予知できるものではないという考えが一般的であることがわかります。

②プレスリップはそもそも発生しない説

実はこれまで地球上でプレスリップがはっきりと観測された例はなく、当然プレスリップの考えから地震予知が成功した例もありません。そのため、実際にプレスリップがどのようなものなのか、はっきりとした根拠もないとも言われています。

また、例えば東南海地震・南海地震などの他の南海トラフ上の巨大地震に誘発されて東海地震が発生する場合、プレスリップを観測する間もなく東海地震が発生する可能性があるとも考えられます。

③東海地震は既に発生した説

いわゆる東海地震はもうすでに発生しており、プレートの歪みが解消されているので、近いうちにM8クラスの巨大地震は発生しないという説です。例えば、2009年の駿河湾地震(M6.5)がそれです。

ただし、駿河湾地震自体はプレート内の地震であるため、気象庁は、プレート間地震である東海地震とは明確に異なるという立場をとっています。

④東海地震は存在しない説

そもそも過去に東海地震が単独で発生した例はなく、東海地震というものは存在しない(必ず南海地震・東南海地震と連動したものである)という説です。

実際に、南海地震・東南海地震には単独で発生した例がありますが、東海地震だけは過去単独で発生した例は知られていません。

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『東海地震の予知』へのコメント

  1. 名前:小田彪雅 投稿日:2017/08/16(水) 15:18:07 ID:f1ef81fa0 返信

    そうなんですかー