緊急地震速報

地震の予知や予測の一種であると勘違いされることがしばしばありますが、緊急地震速報は、地震発生直後に発表されるものであり、地震予知・予測とは全く異なります。

地震発生後の現象メカニズム(P波とS波)

緊急地震速報とは何かを理解する前に、地震発生後のメカニズムを知る必要があります。

P波とS波

地震調査研究推進本部(http://www.jishin.go.jp/)より

地震が発生すると、震源からは振動が波状に広がり伝わっていきます。その地震波はP波(初期微動)とS波(主要動)の二つの波に分けられるのです。図で示すとおり、P波はより振動が小さくかつ秒速約7km程度の早い波です。一方、S波は振動の大きい秒速約4km程度の遅い波で、実際に被害をもたらすのはこのS波ということになります。

数秒から数十秒ある、P波とS波がそれぞれ地表に届くまでの間のタイムラグ(初期微動継続時間)を利用するのが緊急地震速報なのです。

緊急地震速報とは

緊急地震速報とは

地震調査研究推進本部(http://www.jishin.go.jp/)より

緊急地震速報とは、初期微動継続時間の間に、被害の大きい揺れが来ることを知らせようという仕組みのことです。地震計によりP波が検知された瞬間にその情報が気象庁に伝えられ、予想震度等の解析後、報道機関などに伝えられます。

たった数秒~数十秒間ですが、事前に地震が来ると分かっていれば被害の軽減につながるとして、観測体制や解析技術、情報通信技術などが整ってきた2007年から本運用が開始されました。

一般向けに配信される予想震度5弱以上の地震動警報と高度利用者向けに配信される予想震度3またはM3.5以上の地震動予報の二種類があります。

留意しておきたいのは、その技術的な原理上、震源の深い巨大な海溝型地震などでは十分な猶予があると考えられますが、震源の浅い巨大直下型地震などでは、ほとんど予報を伝える間もなく地震が発生してしまう可能性が高く、巨大地震が来る前に必ず予報ができるとはいえるものではないということです。2011年に起きた超巨大地震である東北地方太平洋沖地震の直後は、観測器の障害や余震の多発などにより観測精度が低下し誤報も相次ぎましたが、現在ではプログラムの修正や余震が落ち着いたこともありその精度は回復しています。

緊急地震速報の受信方法

緊急地震速報は報道機関をはじめとして様々な場所に配信されており、予想震度5弱以上の地震動警報は、一般の人でも簡単に情報を受け取ることが可能です。

テレビ・ラジオ

テレビやラジオでは緊急地震速報を受信すると、番組が中断され速報が発表されます。テレビ局や配信地域によって発表する予想震度の基準等は異なりますが、ほとんどすべてのテレビ・ラジオ局で、震度5以上の地震が予想される場合、緊急地震速報が配信されます。

携帯電話・スマートフォン

携帯電話やスマートフォンでも緊急地震速報を受信することが可能です。ただし、受信機能が標準装備されていないものも多く、受信用のアプリなどをインストールする必要がある場合もあるので注意しましょう。

パソコン(インターネット)

パソコンを利用して緊急地震速報を受信することも可能です。テレビやスマートフォン等では、基本的に一般向けの予想震度5以上の地震動警報しか受信することはできませんが、パソコンを利用すれば、高度利用者向けの予想震度3またはM3.5以上の地震動予報も受信することが可能です。

簡易型専用受信機(ラジオ受信機)

ラジオで放送される一般向けの地震動警報を検知して緊急地震速報を配信する端末です。安価ではありますが、高度利用者向けの地震動予報は受信できません。

専用受信機

受信機自体が地震波を感知、演算して予想震度を発表することができるものです。製品によっては震度1からのあらゆる地震の予報を素早く受け取れることが特徴ですが、個人の利用者にとってはやや高めになってしまうという欠点もあります。この受信機はマンションのインターホン等に内蔵されていることもあるので、マンションによっては簡単に実質無料で利用することも可能です。

SNSでシェア